極☆私的映画日々日記 Vo.3
今回はパッチギ!LOVE & PEACEを。
ちょっと長くなるのでご用心。
いや~、なかなかのもんでした。
一言で言うと、題名通り「パッチギ!」をかました作品でしたね。
前作を見たときは、僕にとってはかなりの衝撃やったんです。
京都を舞台にしてるだけあって、やっぱリアルなんですよね。
特に、あの最後の出町柳の中洲での乱闘シーンなんかは、
実際に友達のおっちゃんから、昔、聞いた話しやったりするんですわ。
まあ、僕が聞いたのは、三条の河原でやり合ったって話しでしたけどね。
なので、なんか妙にリアルに感じちゃいました。
京都駅の八条口から少し歩くと、東九条っていう地域があります。
地元の人らは「東九(トン・ク)」って呼んでいる地域です。
在日の人らや部落の人らがたくさん住んではる地域で、
僕の友達にも、ここの出身の奴が何人かいます。
僕が中一の頃から、東九の友達のハルモニ(おばあちゃん)の家に行って、
たびたび御飯を食わせてもらったり、キムチなんかももらったりしてました。
そん頃の僕には「この人らは在日や。」っていう意識や、
歴史に関する知識がなかったので、けっこう無邪気に失礼なことも言ってたりしました。
「外国人登録書持ち歩くんが面倒やったら、帰化したらええやん。」とか、
「なんかここらへんヤニコイ(治安が悪い)な。」とか。
そんな時、友達やハルモニはいつも苦笑いでした。
それから大人になって、在日の人達の歴史や話しを聞くにつけ、
あの頃の自分の軽率な言葉を恥ずかしく思うようになりました。
でも、一緒に遊んで、一緒に学んで、一緒に育ってきたはずの友達が、
僕らと「違う」ということがどうしても理解できませんでした。
前作のパッチギ!を見た時、チェ・ドキの葬式の場で、
長老役の笹野さんが「ワシ等とお前等は違うんど!」と、こうすけに言うシーンがあります。
なんか、自分に言われている気分になりました。
確かに僕は彼らの歴史を何も知らんかったし、また知ろうともしてなかった。
彼らの苦しさや歴史を、ほんまのところでは理解してなかった自分に気付きました。
その意味で、前作は僕にとってほんまに大きな一作になったんです。
そして、二作目。
パッチギ!LOVE & PEACEですが、はっきり言って、
前作とはかなりの別物として観た方がいいと思いました。
そして、この映画を観る時には、いま同時に公開されている
「俺は、君のためにこそ死にに行く」を観れば、二倍面白いかもしれません。
僕の感想ではこの作品には四つの主題がありました。
それは在日・親子・芸能界・そして戦争です。
物語の中に、「俺は、君のためにこそ死にに行く」を連想させる映画が登場します。
キョンジャはその映画のヒロインに抜擢されるんですが、
最後の舞台挨拶で、井筒監督の思いを代弁するかのようなスピーチをするんです。
戦闘シーンでも、井筒監督は非常にリアルに描いています。
下手な戦争映画よりもリアルで残酷です。
そこには井筒監督の「戦争を美化できるか!」という、
監督なりのパッチギ!があのシーンに込められていると感じました。
上映が終わって、映画館を出たとき、僕はにやけていました。
それは「井筒監督、喧嘩を売らはったな~。」という、思いやったからです。
僕はこの作品で、井筒監督のいさぎよさに惚れました。
考えを表現すること、思いをカタチにすることを考えさせられました。
キョンジャは言います。「生きて帰ってくれたからこそ、いまの私がいるんです。私は祖父を誇りに思います。」と。
いつか僕も、ナニかにパッチギ!をかませるだろうか?
by:ANTONIO
≪本日の極☆私的映画採点≫(☆5点制度) パッチギ!LOVE & PEACE☆☆☆☆★
≪本日のmusica≫ Ben Westbeech [ Nothing Else ]
ちょっと長くなるのでご用心。
いや~、なかなかのもんでした。
一言で言うと、題名通り「パッチギ!」をかました作品でしたね。
前作を見たときは、僕にとってはかなりの衝撃やったんです。
京都を舞台にしてるだけあって、やっぱリアルなんですよね。
特に、あの最後の出町柳の中洲での乱闘シーンなんかは、
実際に友達のおっちゃんから、昔、聞いた話しやったりするんですわ。
まあ、僕が聞いたのは、三条の河原でやり合ったって話しでしたけどね。
なので、なんか妙にリアルに感じちゃいました。
京都駅の八条口から少し歩くと、東九条っていう地域があります。
地元の人らは「東九(トン・ク)」って呼んでいる地域です。
在日の人らや部落の人らがたくさん住んではる地域で、
僕の友達にも、ここの出身の奴が何人かいます。
僕が中一の頃から、東九の友達のハルモニ(おばあちゃん)の家に行って、
たびたび御飯を食わせてもらったり、キムチなんかももらったりしてました。
そん頃の僕には「この人らは在日や。」っていう意識や、
歴史に関する知識がなかったので、けっこう無邪気に失礼なことも言ってたりしました。
「外国人登録書持ち歩くんが面倒やったら、帰化したらええやん。」とか、
「なんかここらへんヤニコイ(治安が悪い)な。」とか。
そんな時、友達やハルモニはいつも苦笑いでした。
それから大人になって、在日の人達の歴史や話しを聞くにつけ、
あの頃の自分の軽率な言葉を恥ずかしく思うようになりました。
でも、一緒に遊んで、一緒に学んで、一緒に育ってきたはずの友達が、
僕らと「違う」ということがどうしても理解できませんでした。
前作のパッチギ!を見た時、チェ・ドキの葬式の場で、
長老役の笹野さんが「ワシ等とお前等は違うんど!」と、こうすけに言うシーンがあります。
なんか、自分に言われている気分になりました。
確かに僕は彼らの歴史を何も知らんかったし、また知ろうともしてなかった。
彼らの苦しさや歴史を、ほんまのところでは理解してなかった自分に気付きました。
その意味で、前作は僕にとってほんまに大きな一作になったんです。
そして、二作目。
パッチギ!LOVE & PEACEですが、はっきり言って、
前作とはかなりの別物として観た方がいいと思いました。
そして、この映画を観る時には、いま同時に公開されている
「俺は、君のためにこそ死にに行く」を観れば、二倍面白いかもしれません。
僕の感想ではこの作品には四つの主題がありました。
それは在日・親子・芸能界・そして戦争です。
物語の中に、「俺は、君のためにこそ死にに行く」を連想させる映画が登場します。
キョンジャはその映画のヒロインに抜擢されるんですが、
最後の舞台挨拶で、井筒監督の思いを代弁するかのようなスピーチをするんです。
戦闘シーンでも、井筒監督は非常にリアルに描いています。
下手な戦争映画よりもリアルで残酷です。
そこには井筒監督の「戦争を美化できるか!」という、
監督なりのパッチギ!があのシーンに込められていると感じました。
上映が終わって、映画館を出たとき、僕はにやけていました。
それは「井筒監督、喧嘩を売らはったな~。」という、思いやったからです。
僕はこの作品で、井筒監督のいさぎよさに惚れました。
考えを表現すること、思いをカタチにすることを考えさせられました。
キョンジャは言います。「生きて帰ってくれたからこそ、いまの私がいるんです。私は祖父を誇りに思います。」と。
いつか僕も、ナニかにパッチギ!をかませるだろうか?
by:ANTONIO
≪本日の極☆私的映画採点≫(☆5点制度) パッチギ!LOVE & PEACE☆☆☆☆★
≪本日のmusica≫ Ben Westbeech [ Nothing Else ]
by dylj_west
| 2007-05-25 11:41
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