人気ブログランキング | 話題のタグを見る

日本民主青年同盟京都西地区委員会blog

雨に唄えば。

けっこうこのblogでもお馴染みになってきた、右京地域班の<長老>が、
「福祉」についてのエントリーを書いてくれました。
現代の福祉にとって、かなり提起的なものだと思います。


今、テレビ・新聞を賑わしている「コムスン」。
詳しい内容などは、テレビ・新聞の報道に譲るとして、すこし思ったことを。

社会福祉というものは、一般の労働者が働いて何かを生産して社会的な富を築くのと違い、
サービスを受ける対象は特に生産は行なわない。
つまり、対象者が老人なら今までに生産した物(老後の蓄え等)やそもそも生産できない人ならば、みんなで生産した物の一部(税金等)を使い行なうものである。

だから福祉は、資本主義の世の中では儲けの対象にはなかなかなりにくいもののはずです。
それでいままでは、福祉を行なう窓口というのは行政がほとんどでした。
ところが、国は福祉の予算が増大すのるのを嫌い、
みんなからお金を集めてそのお金で福祉をまわしていこうと、
介護保険制度というものをつくりました。

みんなから集め、使うと言う制度自体は決して悪いとは思いませんが、おまけがつきました。
福祉サービスを行なう窓口を民間企業に広げるということです。
さきほども書いたとおり、福祉は儲かりません。
しかし、民間企業は儲けが必要です。
そのお金に介護保険料を使うというのですが、
サービスの過剰などで介護報酬が増大し国はまた考え直しました。
企業にしてみれば介護サービスを行なえば行なうほど、介護報酬が増えるのですから、
利用者の状況より儲けを優先すれば当然の結果でした。

今度は国が介護報酬の基準を見直し(改悪し)過剰なサービスをしてもそんなに儲からないようにしました。そしたら今度は、コムスンのように架空ヘルパーを配置し、介護報酬を不正受給するというような事態となりました。不正受給の額は業界全体で約55億円にのぼり、そのうちの約31億円はいまだに返還されてないということです。

今回の事件、当然コムスンの行為は許されるものではありませんが、
自分達の思惑で儲けるのが難しいところへ、介護保険料を餌に民間企業を引き込み、
本来は国が責任を持つはずの福祉を民間企業に任せて、こういう事態になったからとわーわー言ってる国もなんだかなあ…と思うのですが。

さてもう一つ、福祉の現場で働く労働者のことです。
先ほどから言っていますが、サービスの対象者が社会的な富を生産することはほとんどありません。だから現場労働者は一方的にサービスを提供することになります。
しかし、ボランティアという訳にはいきません。
福祉で儲けてはいけませんが、福祉で生活できなければなりません。福祉サービスを提供すると言う大変な仕事をしている現場労働者がワーキングプアでは話になりません。
でも対象者からの報酬は期待できません。
じゃあどうするのか?行政がなんとかするしかないと思います。
今、国をはじめ地方自治体は福祉の予算を削ろうと削ろうとしています。
これでは「労働者の賃金が低い→福祉の担い手が減る→増すます労働条件が悪化する」の悪循環です。

「福祉はお金がかかる」これは当たり前です。
このことを踏まえないと福祉というものは成り立ちません。
金がかかるのに、福祉をすることができて、しかも儲けなくて良いとなると行政以外で難しいのではないのでしょうか。
それにお金の有る無しで受けるサービスが違うというのでは、
福祉と言えないのじゃないかなと私は思います。
蓄えのある人は蓄えに応じて、無い人はみんなから集めたもので、
福祉というのを行政がきちんと面倒をみるのが正しい姿だと思う。

<長老>


福祉分野については、僕も以前に障害者自立支援法について書いたエントリーがあるので、
また参考にでも。

                                        
by:ANTONIO
by dylj_west | 2007-06-14 20:49 | かたるBAR

民青西地区委員会のオフィシャルブログです。         お問い合わせは        dylj_west@excite.co.jpまで 
by dylj_west
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

最新のトラックバック

検索

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧

イラスト:まるめな