誰が頼んだんだか、延長国会になり、投票日も伸びた参院選。
京都選挙区からは3人の候補者が立候補する。
これからシリーズで3人の候補者を僕なりにみていきたいと思う。
トップバッターは自民党から出馬する
西田昌司氏について。
まずは、彼のキャッチコピーを見てほしい。
「
伝えよう、美しい精神(こころ)と自然(こくど)。日本の背骨を取り戻そう!」
とのこと。
まあ、個人的にはこの時点でツッコミどころ満載なわけだけど、
この際それはちょっとおいといて。
西田氏がこのキャッチで「背骨を取り戻そう!」って言ってるからには、
当然、彼が失われたと思うものがあるわけで。それは彼の主張を見ていけばよく分かります。
彼は「日本の何が問題なのか?」という項で、
自身の問題意識を次の3点に分けて語っています。
① 戦後憲法による平和主義と、それに基づく日米安全保障条約による外交安保体制を無条件に前提とすること。
② 個人の自由や権利を偏重し、義務や道徳、家族、社会とのつながり、公の精神など、伝統や文化、歴史に根ざすものを軽視する風潮。
③ 物質的豊かさを重視する経済成長追求が、金銭中心主義へ至ったこと。
要は安倍さんが唱える「戦後レジーム(体制)」からの脱却を謳っているわけであり、
西田氏自身も今日の政治が抱える問題点を「戦後体制」に帰結させているわけです。
次に西田氏が唱える、「美しい精神(こころ)」について細かくみていきましょう。
西田氏は教育におけるその主張の中でこんなことを言っています。
知育、徳育、体育のいずれも充実が必要ですが、一番大切なのは徳育です。そのためには、学校だけでなく、地域や家庭での取り組みが必要です。徳とは人間の「正しく生きようとする気力」のことであり、それゆえ徳育とは、詰まる所、日本人の心を伝えることです。具体的には、家族や国の歴史や先達の苦労話、身近な人たちの経験を子供達に聞かせることから始まります。日本人の生き様を伝えることにより、命を超える価値があることを子供達に気づかせることが必要です。それが徳育です。そのためにも、日本人としての歴史観の再興が求められます。
この「徳育」という言葉。先般の教育基本法改正問題の時にずいぶんと言われていましたね。西田氏によると徳育とは、「日本人の心をつたえること」らしいです。
僕はこういう言葉を聞くたびに、いつも疑問に思うことがあるんです。
いったい「日本人の心」ってなんだ?ってことなんですよね。
西田氏が言う「心」っていうのは、どうも文化のことではなさそうです。
文化ならば教育の中で文化授業の梃入れをすればいいだけですからね。
そもそも僕は日本人です。だから必然的に「日本人の心」を持っています。
これを読んでいる日本人の貴方もそれぞれに「日本人の心」を持っていますよね?
そうなんですよ。多かれ少なかれ、みんなそれぞれにそれぞれの
日本人の心を持っているんですよ。しかし、西田氏はどうもそれじゃダメらしいです。
「それぞれの日本人の心」ではなく、「西田氏が思う日本人の心」じゃないとダメらしいのです。
そんじゃ、まどろっこしいこと言わないで、「私と同じ心を持て!」
と言った方が分かり易いのにね。
まあ、とにもかくにもどうやらそれを教育の中で、「徳育」という言葉で画一的に子供達に教えていくのが彼の理想のようです。
ちなみに彼の思想をよく表している言葉がまだあります。それは次のくだり。
日本人の生き様を伝えることにより、命を超える価値があることを子供達に気づかせることが必要です。それが徳育です。そのためにも、日本人としての歴史観の再興が求められます。
これこれ。この一節で彼が太平洋戦争をどう見ているか。
その後の平和憲法下の日本をどう見ているか。が、いっぺんに分かってしまいますね。
まず、この「命を超える価値」っていうのが僕には分かりません。
西田氏からすると「だから最近の日本人はダメなんだ!」と怒られちゃいそうですが、
分からないものは分からないんですよね。
どうやら西田氏自身はその価値に気付いてて、
それを子供達にも気付かせたいようなので、ぜひ今度、聞いてみたいとは思いますが・・・。
とりあえずこの場では、僕なりの想像になってしまいますが、
彼の言葉の解読を試みたいと思います。
まず、西田氏はこの一節の最後の接続詞として、「そのためにも」という言葉を使っています。「そのためにも」にあてはまる言葉として、「命を超える価値を子供達に気付かせる。」というものがあります。そして最後に「歴史観の再興」と続きます。
まあ、いつ「歴史観が没落」したのかはおいとくとして。
要は西田氏の思想方程式からは
[日本人の生き様=命を超える価値=歴史観の再興]という、見事に同列式的な図式が見えてきます。
はじめに、この「日本人の生き様」についてですが、
そもそも誰のなんの生き様を語るんでしょうか?
僕の近所におっちゃんやおばちゃんがたくさんいますが、どれもこれも、
みんな異なる生き様ですし、生き方です。
では、西田氏はなんの生き様を子供達に教え込みたいのでしょうか?
それを考える時に、西田氏の言う「歴史観の再興」がヒントをくれます。
彼は徹底して戦後レジームの批判をしています。日本人は歴史観を再興せよ!と。
彼が言う歴史観。まあ、ぶっちゃけ右派の人々がよく口にする「左派の自虐史観」なるものを言ってるんでしょうが。要は、あの太平洋戦争は日本の侵略戦争であり、二度と繰り返してはならない。に代表されるような意見の否定であり、「あの戦争は自存自衛」のしかたない戦争だった。日本人はよく戦った。という、日本会議メンバーならではの発想というか、歴史観ですね。
彼はどうやらそれを子供達に教え込みたいんではないかと推察されます。
ここまで書くと、彼が言う「命を超えた価値」なるものの正体も見えてきます。
では、僕なりに西田氏の思想方程式を分かりやすくしてみましょう。
[侵略戦争の肯定=国のために死ねる心=そのために必要な教育]どうです?ずいぶんと分かりやすくなりましたね。
実は西田氏の主張にはこの精神がやたらと出てきます。
年金問題なんかも西田氏に言わせると、日本人の自由と権利の偏重のせいらしいです。
まだまだ書きたいことがあるんですが、今回はこのへんで。
今回ふれたのは西田氏が主張する「教育」の部分だけです。
これからシリーズで他のものについても、僕なりに書いていきたいと思いますので。
しかし、「あまりにも」なんで、時間がかかりすぎるよな・・。
by:ANTONIO
≪本日のmusica≫ 小沢健二 [ ラブリー ]6月22日追記:今回のエントリー京都選挙区の予定候補者は3人と書きましたが、
どうやら4人になりそうです。お詫びして訂正いたします。