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日本民主青年同盟京都西地区委員会blog

超左翼マガジン『ロスジェネ』という声


やばい、かなり話題になってきた。
前に紹介した超左翼マガジン「ロスジェネ」が、なぜだか話題なのだ。
いや、なぜだかは余計か。ちゃんと理由はある。
超左翼マガジン『ロスジェネ』という声_e0101217_2013180.jpg


昨日の朝日新聞19日付けの早野透のポリティカにっぽんでは、
「優しさの連帯」つくれるかという題で、小林多喜二と絡めながら、
刊行前にも関わらずロスジェネを紹介しているのだ。

その前の日、18日付けの耕論では、蟹工船が大増刷の後に、
「超左翼マガジン ロスジェネ」(かもがわ出版)刊行へ。との記事が。
そして、なんとサイゾーにも、「ロスジェネは若者の見方です」という記事が。

とうとう、「いま話題の。」ということが言えるまでになってきた。
かもがわ出版編集者の松竹伸幸さんによると、発売前にも関わらず既に増刷が
決まったらしい。う~む。

個人的には、仕事でちょっとだけ関わりがあるだけに、
少し嬉しい気分になってしまう。
内容も少し読ませてもらったが、なんとも面白い。期待通りといった印象。
特に編集長の浅尾大輔さんと、論座で話題になった赤木さんとの対談が良かった。

さて、さっき話題になるにはちゃんと理由がある。
と、書いてみたわけだけども、一体どんな理由があるのか。
それは、乱暴に一言で言ってしまえば、「ロスジェネの反撃」であるということだ。
「ロストジェネレーション=失われた世代」
まあ、この言葉が一般的にどれだけ浸透しているかは分からないが、
巻頭にあるロスジェネ宣言ではこう書いてある。

「ロストジェネレーション=失われた世代」?ざけんじゃねえ!「失われた」んじゃねえ。「われわれ」が生きていくために必要なsomethingを、誰かが「奪ってきた」んだろ。

そう、まさに反撃であり、奪われた世代の¨声¨なのだ。
そして、それは60年以上たった現在に、
小林多喜二の蟹工船が話題になっているのとはきっと無関係ではない。
閉塞感だけでは語れないものが、けたたましく堰を切っているのだ。


日曜日の夕方。
とても穏やかないい天気の三条京阪駅に、突如として「民青同盟」の幟がたった。
民青同盟京都府委員会が行った雇用宣伝である。

大きなプラスター看板には、¨最低賃金を時給1000円以上に!¨と書かれている。
僕も含めて10人程のメンバーはそれぞれに、アンケートを抱え、
三条京阪駅を通りがかる人々に片っ端から声をかけていく。
グラサンをしたコワモテの兄ちゃんだろうが、ミニスカートをはいた姉ちゃんだろうが、背広を着たイケメンだろうが、そんなの関係なく声をかけまくる。

そして話す。「どういう働き方をしていますか」と。
派遣で働く女性と話した時、僕はこう尋ねた。
「不安はない?」彼女は少しだけ考え、こう言った。
「でも、派遣の方がお給料がいいんですよね。」実はこれが実態。
「でも、ずっと続けられる仕事じゃないよね?」僕がこう聞くと、
「はい。でも、結婚とかしたら働かなくてもよくなるから・・。」
これが現実。働くことに希望が持てない社会なのだ。
もちろん、派遣でも、バイトでも、正社員でも希望を持って働いている人はいる。
だけど、いったい誰が「働くことに希望を持っていないのは一部の人だ。」
なんてことが言えるのだろうか。誰が彼女のような考えを責められるのだろうか。

穏やかで、素晴らしい天気の日曜日の午後。
場所は繁華街である三条京阪駅の前。
普通だったら、働き方を尋ねられて立ち止まるようなシチュエーションではない。
でも、あの日、僕達は本当にたくさんの人たちと話した。
あの日、僕らが話を聞いた人たちは「希望を持っていない一部の稀有な人達」だったんだろうか。

目の当たりにする¨実態¨は、僕たちに様々なことを語りかけてくる。
先進国である日本に生まれ、豊かなはずの資本主義国で暮らす僕らが、
時給1000円以上を求めることは、はたして非常識なことなんだろうか。
生きさせろ!と叫ぶことは、はたして「甘え」なんだろうか。
僕はけっしてそうは思わないし、けっして思えない。
僕らに話してくれた、あの人達の¨ハナシ¨こそが、その答えだと信じているから。

5月下旬、ぜひ本屋に行ってみて欲しい。
そこには、「勝ち組になる方法」や「この時代を勝ち抜け」といった本や、
「幸せになる方法」、「癒しの世界」などといった
スピリチュアルな本の中に混じって、連帯を呼びかけ、
手をとることを呼びかける蟹工船や超左翼マガジン『ロスジェネ』が、
そこにはきっとあるはずだから。

この雑誌が問いかける「右と左は手をつなぐことはできるのか?」
という問いに、民青同盟員である僕は、まだはっきりとは答えられない。
だけど、ひとつだけはっきりと分かっていることがある。
それは、その答えが「実態」の中にあるということだ。
そして、その実態は、右も左も手を取り合えることを教えてくれているような気がするんだ。そういう意味では、『超左翼』はもうすでに生まれているのかもしれない。


                         by:ANTONIO



<本日のmusica>  斉藤和義  [  ジレンマ  ]
by dylj_west | 2008-05-20 20:08 | クローズアップ!

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